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【家族年表でつくる大きな切妻】
クライアントは、京都にお住いのご夫婦です。
大分出身の奥さんは、将来、大分に住みたいと考えていました。
しかし、すぐに移住することは難しい。かといって、何十年も先まで待ちたくはない。
そこで考えたのが、少しずつ移住する方法。
いきなり大きな住宅を建てるのではなく、出来る部分から小さく住宅を建て、時期に応じて住み方を少しずつ変えていき、現在の家族に基づいて建築を考えるだけではなく、未来の家族年表をも視野に入れて建築を考える。
大分出身の奥さんは、将来、大分に住みたいと考えていました。
しかし、すぐに移住することは難しい。かといって、何十年も先まで待ちたくはない。
そこで考えたのが、少しずつ移住する方法。
いきなり大きな住宅を建てるのではなく、出来る部分から小さく住宅を建て、時期に応じて住み方を少しずつ変えていき、現在の家族に基づいて建築を考えるだけではなく、未来の家族年表をも視野に入れて建築を考える。
私たちはこれを【漸化的定住】と名付けました。
故郷と決別することなく、強引な移住に踏み切ることなく、大分に住まう可能性を広げることが出来る住宅の在り方を目指しました。
『家族に理想像があるように、住宅の理想像を描く。家族がゆっくりと成長していくように、住宅は少しずつその姿を変えていく。いちばん最初は、広い丘の原っぱのような敷地に建つ小さな小屋。片流れの屋根は切妻の輪郭。子ども達のために開放的な居場所をつくる。自分たちの生活を豊かにするために隠れ家をつくる。地域と繋がるためにみんなのための居場所をつくる•••。片流れの小さな小屋は、大らかな切妻にその姿を変えていく。理想像に沿って、でも理想とは少し違う。家族が手を加えながら現実にしていく住宅。長い年月をかけて成長していくことで、住宅は、よりやさしく家族に寄り添えるのかもしれない。』
(『』内、展覧会解説文より抜粋)
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051_ex_Yさんへの住宅案 _ 【家族年表でつくる大きな切妻】 所在地:大分県大分市 主用途:個人住宅 規模等:木造 地上2階建て 設計期間:2013年4月 ~ 2013年8月 意匠:菊池甫